ソニーは、21年度3月期の業績見通しを発表し、営業利益が従来予想から34%増の9,400億円となるとした。これは19年3月期の最高益を更新する見込み。

主要6部門の業績がすべて上方修正され営業利益予想は、ゲーム事業は400億円増、音楽事業は280億円増、映画事業が240億円増、イメージセンサーなど半導体事業は580億円増、エレクトロニクス事業が550億円増、金融が150億円増となっている。

半導体部門では、イメージセンサーのファーウェイ向け売上が無くなることで、苦戦が予想されていたが、Appleのiphone12シリーズの売上が好調で、Apple向けのイメージセンサーがファーウェイの売上を補填する形で上方修正されたものと見られる。

ゲーム事業では、昨年発売されたPS5が好調で、TSMCが製造するAMD製のPS5向けCPUの供給に苦戦しているものの、今年度の販売目標である760万台へ向けて順調に推移しているとした。

ソニーは、イメージセンサー、ムービー用カメラ、スチール用カメラ、視聴用機器、ゲームと、スマートフォンに親和性の高い事業で高い技術力を持つ上、昨年から大ヒットしている「鬼滅の刃」は子会社のソニー・ミュージックの売上に貢献しているなど、金融、映画、音楽、ゲームではソフトを提供する側としても機能出来る。今後5Gが更に普及していく中で、そのコンテンツとシステムを生み出せる、GAFAに次ぐ、世界の数少ない企業の一つである。むしろ、エレクトロニクスとエンターテイメントの融合といった意味ではソニーが先駆者といえる。

CES2021でも今後の物流を支える期待を持たれているドローンを発表し、更にはEVでも得意のセンサー、エレクトロニクス、エンターティメント分野からアピールを続けるなど、今までは関わることが無かった輸送機器分野でも積極的なアピールを続け、今後の主力事業化への期待が持たれる。