ソニーグループは11月8日、2024年度第2四半期(7~9月期)の決算を発表した。半導体部門を担うイメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期比31.8%増の5,356億円、営業利益は同99.1%増の924億円となり、大幅な増収増益となった。売上高は第2四半期としては過去最高である。モバイル向けイメージセンサーの増収と円安が同分野の業績を押し上げた。

スマートフォン市場は人工知能(AI)搭載機種への買い替え需要を背景に中国と欧州での前年同期比プラス成長の継続に加え、北米市場で回復の兆しが見られ、グローバルで緩やかな回復基調が継続しているという。スマホ各社はカメラ性能で競争を繰り広げ、イメージセンサーの単価が上昇している。こうした中で、同社が製造する最新のイメージセンサーが米AppleのiPhone16シリーズに採用されたことが追い風となった。最新のイメージセンサーでは逆光など明暗差が大きい場面でも白飛びしにくく、夜景など暗い場所でも高画質の写真が撮影できる。

同社執行役員財務/IR担当の早川禎彦氏は、「当四半期におけるモバイルセンサー売り上げは、センサーサイズの大判化に伴う単価上昇と大手顧客の新製品に向けたイメージセンサーの順調な出荷により大幅に伸長し、分野全体で第2四半期として過去最高の売り上げを記録した」と述べた。

また、同社のイメージセンサーの課題となっていた歩留まり率についても、開発と製造部門が連携して不具合の原因を調べるなどして改善され、「2024年度第4四半期には正常なランレートを達成できる見込みだ」とした。

第2四半期が好調であった一方、I&SS分野の2024年度通期の見通しについては、売上高は8月時点の予想から800億円減の1兆7700億円、営業利益は同250億円減の2,500億円と予想した。iPhone16の生産が縮小されることによるイメージセンサーの販売数量減少が影響するものとみられる。

ソニーグループ社長の十時裕樹氏は、Appleによる生産調整の影響について、来期以降の見通しを変えるものではないと説明。また、工場の稼働率について、生産調整の分、「3月末の在庫が少し持ち上がる形になる」として、第3四半期も月産15万2,000枚とフル稼働する方針である。

出典:ソニーグループ 2024年度第2四半期業績説明会