2023年9月26日、中国・瀋陽を拠点とした半導体装置の新会社「瀋陽新松半導体装備」が創立した。

同社は中国の産業用ロボット最大手SIASUN(瀋陽新松機器人自動化)の半導体装置事業部を前身とする。同事業部はウエハ自動搬送ロボットを初めて国産化した実績を持つ。そのほかにも、真空マニピュレーター、真空プラットフォームとコンポーネントなどを開発・製造し、約20年の技術・経験の蓄積があり、技術指標は海外メーカーの先進水準に達するという。

創立大会には瀋陽市委員会副書記、呂志成市長のほか、NAURAの趙晋栄会長、AMEC執行副総裁兼首席運営官の杜志遊氏、KINGSEMI会長兼総裁の宗潤福氏、華海清科(Hwatsing)取締役会書記の王同慶氏など、半導体装置部門における中国内トップメーカーの役員が揃って出席し、同社への期待の高さを窺わせた。

創立大会で同社理事長兼SIASUN総裁の張進氏は「今日、瀋陽新松半導体設備有限公司の正式な設立は、18年間の蓄積と沈殿の成果である」としたうえで、「国のためにより多くの最先端、先進的な新技術を開発し、顧客のためにより信頼できて効率的な新製品を提供し、業界のためにより多くの価値を創造し、瀋陽の半導体産業の飛躍的発展を助け、中国半導体産業がより大きな責任と行動で質の高い発展の新章を開くのを助け、中国半導体産業の発展に新たな一歩を踏み出す」と意気込みを述べた。

また、同社の程龍社長は、同社は今後、技術的課題の解決、品質上の課題解決、生産効率の向上に注力し、「職人気質、ユーザーへの奉仕」をスローガンとし、世界から信頼される世界トップクラスのウエハ搬送装置メーカーとなることを目指すと強調した。

米中対立による先端装置の中国への輸出規制を背景として、中国内では半導体装置産業が急速に拡大している。SIASUN半導体事業部が分社化したことで、事業拡大などの自由度が高まり、半導体装置市場全体の更なる活性化と競争による技術革新が見込まれる。