韓国の半導体製造装置メーカー、SEMESは6月3日、AI向けの高帯域幅メモリ(HBM)製造に必要なボンディングマシンを開発、量産していると明らかにした。 

 TCボンダは先端シリコン貫通電極(TSV)工法で製造された半導体チップをウエハに垂直に積層する装置。同社の関係者によれば、同社のTCボンダは近年のHBMのトレンドであるインアウトピッチの微細化によるマイクロバンプの増加に対応する性能を持つという。 

 同社は接合プロセスで位置整列と熱、圧力調整などを通して高い積層精密度を実現したと説明している。また、非電導性絶縁フィルム(NCF)工法で製作されるHBMに最適化した工法を適用し、生産性を高めたとも説明した。 

 同社はTCボンダの量産開始時期について明らかにしていないが、既に昨年に1,000億ウォンの売上を記録し、今年は2,500億ウォンの売上を目標としている。また、第6世代HBM(HBM4)以降の超微細プロセスに対応するため、別途の連結端子なしにチップを積層するハイブリッドボンダについても開発し、現在評価中であると明かした。 

 同社のチョン・テギョン代表は「様々な半導体プロセス技術が融合したハイブリッドボンダ開発により、この分野最高の競争力を獲得した」と自信を示した。 

 TCボンダについて、韓国ではHanmi Semiconductorが先に量産しており、SKハイニックスに供給している。これに対し、SEMESはサムスン電子の子会社であるため、SEMESのTCボンダの供給先は主にサムスン電子であるとみられる。