国内液晶大手のジャパンディスプレイ(JDI)は9月29日、中国の液晶大手HKCと4月に結んだ戦略提携の覚書を解除すると発表した。次世代有機ELの工場を中国に建設し、JDIが技術供与してHKCが2025年までに量産する計画であった。

HKCは世界第3位の液晶メーカー。JDIはグローバル戦略パートナーとして、HKCとの次世代OLED「eLEAP」、共同開発センター、ハイエンド車載ディスプレイ事業における協業について、最終契約締結に向けた協議を進めていた。ところが、JDIの経営戦略を理由に、HKCの了承と理解を得たうえで覚書を解除することにしたという。具体的な理由については不明だが、技術料の支払い条件などで契約がまとまらなかった、工場の運営をHKCが主導する計画に対して取引先から否定的な声が上がった等の情報がある。

一方で、ハイエンド車載ディスプレイ事業については、相互発展に向けて引き続き協議を行うことで合意している。

その一方で、JDIは中国・蕪湖経済技術開発区との間で、eLEAPを用いた大規模G6/G8.7 eLEAP事業の立ち上げに関する覚書を締結したことも発表した。関係当局等からの許認可を取得した上で、2023年12月末日までに最終契約の締結を目標とし、当該契約締結後、すみやかにeLEAPの事業会社を設立する予定としている。

同事業会社では、蕪湖開発区内でG6工場(月産10Kシート)とG8.7工場(月産30Kシート、G8.7のガラス基板面積はG6の倍以上)を建設する予定。これらが完成すると、JDIのeLEAP生産能力が50倍以上拡大することになる。両工場の建設費用は数千億円規模になるとみられ、G6工場は2025年11月、G8.7工場は2026年12月の量産開始を見込んでいる。