韓国・サムスン電子は4月30日、2024年1~3月期の業績を発表した。これによると、売上高は前期比6%増、前年同期比13%増の71兆9,200億ウォンとなり、5四半期ぶりに70兆ウォンを回復した。また、営業利益は前期比134%増、前年同期比932%増の6兆6,100億ウォンと急増した。
この業績の大きな要因となったのはメモリ需要の回復である。部門別にみると、半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門の売上高は前期比7%増、前年同期比68%増の23兆1,400億ウォン、営業利益は1兆9,100億ウォンとなり、5四半期ぶりに黒字に転じた。DRAM及びNAND型フラッシュメモリの在庫調整の完了によりこれらの製品の価格が上昇した。また、人工知能(AI)の急速な普及を背景とした高帯域メモリ(HBM)をはじめとする高付加価値製品の堅調な需要も黒字回復を後押しした。
加えて、デバイスエクスペリエンス(DX、モバイル・家電)部門の売上高は前期比20%増、前年同期比5%増の47兆2,900億ウォン、営業利益は4兆700億ウォンとなった。前年同期と比べると1,300億ウォン減となっているものの、前期からは1兆4,600億ウォンの増益となっており、回復傾向にあることがわかる。特に、AIスマートフォン「S24」の売上が好調なことが要因となっている。
同社は、「2024年後半も、マクロ経済動向や地政学的問題に関連し不安定な状況が続くものの、主にAIを中心とした需要は堅調に推移し、事業環境は引き続き良好と見込まれる」と述べ、AI向けメモリの需要、AIスマートフォンの売上が同社の業績を引き続き牽引していく見通しを示した。