国内半導体大手のルネサスエレクトロニクスは5月14日、インド政府の電子情報技術省(MeitY)傘下の先進コンピューティング開発センター(C-DAC)と提携し、インドのスタートアップや教育機関を支援することを発表した。インドにおける半導体産業の発展に貢献し、イノベーションを促進する狙いがある。

今回の連携により、ルネサスは開発ボードとPCB開発ソフトウェアである「Altium Designer」をインドのスタートアップに提供し、製品エンジニアリングの強化を目指す。一方の教育機関にはこれらに加え、Altium 365 クラウドプラットフォームへのアクセス、PCB教育やトレーニング機会も含めて提供することで、エンジニアを育成し、イノベーターのコミュニティを構築することを目指す。

ルネサスはインドに関して、大きな成長ポテンシャルを有し、優秀な人材を豊富に抱えているとして重視する。同社は2030年までにインド向けの売上高を会社全体の10～15%程度に高める目標を掲げている。インドのスタートアップ、教育機関にソフトウェアを提供し、普及させることにより、同社が将来、半導体を売る機会も広がると期待する。

なお、同社はインドでのR&Dの人員増加にも対応するため、カルナータカ州ベンガルールとウッダル・プラデーシュ州ノイダのオフィスも拡張した。また、人員についても2019年時点の約50人から700人にまで増やし、年内には最大1000人体制にする。今後、同社は技術者を確保し、グジャラート州にCG社、Stars Microelectronics社と合弁で建設中のOSAT工場を早ければ2026年にも立ち上げる計画である。