スタンレー電気は2022年11月4日、国立大学法人京都大学大学院工学研究科(京都大学)の野田進教授らの研究グループとともに、共振器としてフォトニック結晶を用いた半導体レーザ(LD)(以下、フォトニック結晶レーザ))をGaN系材料で構成した結果、世界で初めて青色・ワット級高出力・高ビーム品質での動作に成功したことを発表した。今回の開発は、これまで困難であった青色半導体レーザの高出力・高ビーム品質の両立(高輝度化)の実現に繋がるものとなっている。

開発した技術を応用することで、(1)自動車の電動化で需要が高まっている、銅をはじめとした金属材料の高品位レーザー加工、(2)自動車の安全走行に寄与する高機能ADB(Adaptive Driving Beam)ヘッドランプ用光源、(3)水中のインフラ設備点検や海底探査等で必要となる、水中LiDARへの応用、など、様々な用途での活用が期待できる。
今回、フォトニック結晶において、高出力化が期待できる「2重格子構造」を採用した適切なデバイス構造を設計することで面内に漏れる光損失を抑制し、効率を向上させた。また、GaN系フォトニック結晶の形成方法を新たに開発し、高品質な共振器を形成した。これにより、高輝度化を実現した。