半導体メモリの大手、キオクシアホールディングスは11月14日、2023年7~9月期の決算を発表した。売上高は2,414億円で前期比3.9%の減少となった。純損益は860億円となり、前期比から赤字金額は縮小されたものの依然として低迷している。上半期の合計では1,891億円の赤字となり、中間決算としては過去最大の赤字となった。企業のIT投資の縮小や、パソコン、スマートフォン向けの需要の落ち込みにより、メモリ半導体の世界的な需要の低迷が大きく影響した。同社の赤字はこれで4期連続となる。

その一方で、各社の生産調整の継続及び、顧客の在庫消化の進展を受けて需給バランスは改善を続けている。同社発表によれば、来年はパソコン、スマートフォンの出荷が増えることが予測され、PC及びスマートフォン向け需要は回復が続くと見込まれるとしている。一方で、データセンターおよびエンタープライズSSDの需要はマクロ経済の不確実性によるIT投資の減少と、汎用サーバー需要の弱含みが続いているため、回復は早くても来年前半以降になると予測している。

業績が低迷する同社は、事業の立て直しに向けて、米国のウエスタンデジタルとの経営統合に向けた交渉を進めてきたが、間接出資を受けている韓国・SKハイニックスの反対により、10月に交渉は白紙となった。そのため、当面は単独での生き残りを模索する。同社は「需要動向に合わせた生産調整と販管費抑制を継続し、市況に関わらず確実に利益を生み出すべく、製造コスト削減、研究開発・製品開発のポートフォリオ見直し及び注力製品の開発加速に取り組む」としている。