GNC letter
GNCレター
米ソフトウェア大手のSynopsysは2025年6月16日、先端エッジAI、HPC、AIアプリケーション向けの次世代半導体の設計を加速化させるため、サムスンファウンドリと協業すると発表した。これにより、両社の共通の顧客はSynopsysの3DIC Complierとサムスンの先端パッケージング技術を利用し、複雑なテープアウトを短時間で成功することが可能になるという。また、サムスンのSF2Pプロセスに対応した認証済みのEDAフローを使用することで、電力、性能、面積(PPA)を改善できるほか、サムスンの最先端プロセス技術における高品質なIPポートフォリオを活用することで、IP統合のリスクを最小限に抑えることができる。
両社は最も高度なマルチダイ設計を実現し、両社の顧客が先進技術を迅速に市場投入できることを目指す。最新の取り組みとして、Synopsysの統合型設計プラットフォーム「3DIC Compiler」と、複数のHBM(高帯域幅メモリ)スタックダイをシリコンインターポーザ上に実装可能なサムスンのI-CubeS 2.5Dパッケージング技術を用いた顧客設計のテープアウトに成功した。これにより、HBM3の配線作業時間をわずか4時間に大幅短縮するとともに、最悪ケースにおけるアイオープニングを6%向上させ、性能と信頼性を高めることに成功した。
なお、現在進行中のプロジェクトでは、バンプとTSV(シリコン貫通電極)計画および初期の熱解析を含む3Dフロアプランニングを迅速に実行できるSynopsysの3DIC Compilerが活用されており、これはサムスンのX-Cube技術によって認証されている。
Synopsys IPグループの上級副社長であるジョン・コーター氏は「サムスンファウンドリとの連携により、データセンター向けの高性能なAI推論エンジンから、カメラやドローンのような超高効率なエッジAIデバイスに至るまで、幅広いユースケースで最先端のAIプロセッサを実現している」とし、「これらはすべて、サムスンファウンドリの2nm未満のプロセス技術向けに最適化されている」と述べた。
また、サムスン電子のファウンドリ・デザイン技術チームの担当副社長、キム・ヒョンオク氏は、今回の協業について、「サムスンの先端ノード向けに最適化されたSynopsysの幅広いIPポートフォリオへのアクセスも可能になる」と、その意義を強調した。
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