ロームは3月29日、日本産業パートナーズ(JIP)に対し、ロームと東芝の半導体事業との業務提携強化に向けた協議を開始する旨の提案を行ったと発表した。将来的には両社のパワー半導体を中心とした半導体事業について資本提携も視野に入れた協議を行いたいとしている。

現在、ロームは東芝の子会社の東芝デバイス&ストレージと連携してパワー半導体の製造を行っており、経済産業省の「半導体の安定供給確保のための取組に関する計画(供給確保計画)」として認定されている。今回の提案ではそれに加え、パワー半導体を中心とした半導体事業全般に関して、技術開発、生産、販売、調達、物流など、あらゆる事業活動における業務提携の強化を目指す。

東芝は2023年3月、JIPをはじめとする国内企業を中心とした企業群による買収提案を受け入れ、同年12月22日に同企業群が設立したTBJHの完全子会社となっている。ロームはこのTBJHに参加し、合計3,000億円を出資している。ロームはこの際、「東芝の半導体事業については当社との親和性も高く、将来的に機会をいただければ協業・連携にも関心を持っており、さまざまなシナジーを創出できる可能性はある」と述べていた。

なお、今回の提案は具体的な協議を開始するためのものであり、内容についてJIPや東芝と協議及び合意したものはないとしている。

出典:ローム株式会社ニュースリリース