2021年の半導体業界の好況を襲う半導体不足の影響は未だ深刻で、こんなところにまで!と思うような所まで侵食している。

一つは、チップ詐欺業者の出現である。チップ詐欺業者は、通常チップメーカーが広告を 掲載しない検索エンジンの広告欄に宣伝を出してPRし、実際に商談がまとまった後は、粗悪なチップや動作しない製品を購入者へ送りつけたり、代金を前払いさせてから、商品を送らないといった手口であるという。さらに、毎日新聞の報道では、通常の仕入先以外から半導体を購入した企業の依頼を受けて、沖電気工業子会社の沖エンジニアリングが調査したところ、その中の3割が偽物であったという驚きの結果も出ている。

もう一つは、半導体不足を解消するために必要な半導体製造装置の製造に使用するための半導体までも少なくなっているという事だ。
後工程製造装置大手のディスコは、現在の半導体設備投資ブームの中、次々と受注を獲得しており、2021年4~6月期の受注高は過去最高の719億円に上る。広島の桑畑工場の新棟が竣工し、今後さらなる増産に対応するために、1000人規模の増員が必要になるという見通しを示した。その中で、半導体不足がボトルネックとなり、生産を圧迫する可能性があるとディスコでは判断し、装置を制御するためのマイコンの種類を9割減らして、わずか4種類の半導体ですべての装置に対応出来るようにしていくという。

現在猛威を振るう新型コロナウイルス「デルタ株」の大流行によって、後工程、検査工程があるスイス STMicroelectronics、独 Infineon technologiesでは、従業員の複数感染が出たことによって、施設閉鎖を余儀なくされているなど、半導体不足の影響は今後も暫く続いていくと見られる。