東京エレクトロンは2月9日、2024年3月期の第3四半期(9~12月期)決算を発表した。これによると、売上高は4,636億円で前期比8.4%増、前年同期比0.9%減であった。また、営業利益は1,324億円で前期比37.8%増、前年同期比15.4%増となり、大幅な増益となった。

また、2024年3月期の業績予想については、売上高が前年比17%減の1兆8,300億円、営業利益が28%減の4,450億円となり、従来予想をそれぞれ1,000億円、440億円上回り、大幅な上方修正となった。

この好調な業績を牽引しているのは中国向けの売上だ。中国向けについては先端分野向け装置の輸出規制が敷かれているが、非先端分野の半導体投資が想定以上に強く、同社の業績を押し上げた。地域別の売上高を見ると、中国が全体の46.9%を占め、第2四半期の42.8%から拡大した。売上高は2172億円で前期比は18.8%増となっている。

同社の川本弘常務執行役員は、「中国の半導体自給率はまだまだ低く、今後も積極的な投資が続く」と述べており、2025年期以降も引き続き中国向けの売上が好調となると見込んでいる。

一方、日本国内向けの売上も好調である。地域別売上高は日本向けが12.4%を占め、第2四半期の9.7%から拡大、売上高は574億円で前期比39.3%増となった。AI半導体に必要なHMBの生産に使うボンディング/デボンディング装置の量産受注が急拡大し、想定の2倍以上の引き合いとなったことが影響しているとみられる。これに加え、レーザ剥離技術や「Ulucus™ G」という最先端ウエハ薄化装置のリリースなども国内の売上高増に影響を与えた。なお、同社はこうした新技術、新装置が同社の業績のみならず、WFE(世界前工程製造装置)市場全体の成長を後押しすると見込んでいる。

出典:2024年3月期 第3四半期決算(2024年2月9日)