金属のインクジェット印刷によるプリント基板の開発を行うエレファンテックは、2024年12月17日、プリント基板に多く用いられるFR-4(ガラスエポキシ基材)を含む多くの硬質基材と密着するプライマーと銅ナノ粒子インクを開発した事を発表した。

同社ではこれまでもCuの使用量を従来から70~80%削減するインクジェット印刷方式を推進してきたが、従来では市場の2%に留まる片面フレキシブル基板しか開発が出来ていなかった。

今回のプライマーと銅ナノ粒子インクの開発によって、リジッド基材への対応及び、ビアの形成も出来るようになったことで多層化にも対応した。インクジェット印刷方式によって、ビアと配線を同時にかつ、必要な部分にだけめっきでCuを形成することが可能になったことで、従来の製造方法と比較しても工数、材料、設備を大幅に削減することが可能となった。(図1)

図1. 2層基板における従来の基板製造方法との比較と、4層基板における製造方法

Cu使用量の削減も期待され、エレファンテックでは4層リジッド基板1m²あたりのCu使用量を70%削減可能と試算している。

また、今回の開発により、パターンの微細化にも対応し、従来のL/S=100/100μmから、L/S=50/50μmでの配線形成が可能となった他、従来の10倍となる100μm級のCu膜厚基板の製造にも対応出来るようになり、パワーエレクトロニクス向けの基板にも応用が期待される。

エレファンテックでは、今後は2025年前半には試作提供を開始し、量産体制の構築を行っていくとしている。