米Intelは9月8日、イノベーションの加速と経営体制の強化を図るため、主要役員の人事異動を発表した。データセンター、クライアントコンピューティング、ファウンドリ、エンジニアリング各部門のリーダーシップを強化する。

この異動により、データセンター部門にKevork Kechichian氏、クライアントコンピューティング部門にJim Johnson氏がゼネラルマネージャーとして就任する。また、新設のセンターエンジニアリング部門をSrini Iyengar氏が、ファウンドリ全体をNaga Chandrasekaran氏がそれぞれ統括する。

Kechichian氏は30年以上の業界経験を持ち、英Armのエンジニアリング担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めていた経験を持つ。Armではエコシステムパートナーとの技術開発を主導し、IPライセンス事業からフルスタックソリューション提供への企業変革を管理していた。

Johnson氏はIntel在籍40年を超えるベテランであり、これまでに技術製造グループ、ネットワーク・通信グループをはじめ、複数のグローバル事業部門や製造工場のゼネラルマネージャーなど、社内で様々なエンジニアリングおよびリーダーシップ職を歴任してきた。

Iyengar氏は今年6月に米Cadence Design SystemsからIntelに加入。Cadenceではグローバルシリコンエンジニアリングを統括していた。カスタムシリコン開発における深い技術的専門知識を持ち、ハイパースケールデータセンター顧客と緊密に連携し、主要ワークロード向けソリューションの最適化に取り組んできた。

Chandrasekaran氏は2024年に米MicronからIntelに加入。Micronでは技術開発担当上級副社長を務めていた。半導体製造と研究開発の幅広い分野で数十年にわたる経験を有する。Intelは同氏の指揮により、今年の前半に技術開発部門と製造部門を統合していた。

一方で、Intelは、同社の製品部門の最高責任者であるMichelle Johnston Holthaus氏が30年以上の在籍を経て退任するとも発表した。同氏は退任後、数か月間は戦略顧問として残留するという。

今回の人事異動は今年の3月18日にCEOに就任したLip-Bu Tan氏による大規模な組織再編の一環となる。同社は先端半導体の技術開発において台TSMCや韓サムスン電子に遅れを取っており、業績の低迷が続く。巻き返しに向け、主要部門の運営体制刷新を図る。