米半導体大手、Intelは2025年10月23日、2025年第3四半期(7~9月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比3%増の136億5,300万ドル、営業損益は前年同期の166億3,900万ドルの赤字から黒字に転換し、40億6,300万ドルとなった。黒字に転換したのは7四半期ぶり。人員削減や工場の投資縮小などのコスト削減が功を奏した。同社の完全子会社だった半導体設計企業の米Alteraの株式の51%を9月に売却したことも黒字転換に寄与した。

部門別の売上高としては、クライアント・コンピューティング部門(CCG)が前年同期比5%増の85億ドルとなり、AI PCの需要が牽引役となった一方で、データセンター&AI部門(DCAI)は同1%減の41億ドルとなり停滞した。同社は第3四半期にx86アーキテクチャを採用したサーバ用CPUである「Xeon 6+」を発表しており、第4四半期での回復が期待される。

なお、同社の苦境の要因となったファウンドリ部門は同2%減の42億ドルとなり、低迷が続いている。同社は10月までに米アリゾナ州チャンドラーのFab52において、18Aによる半導体の量産を開始したと発表。回路線幅は世界最先端の2nm級であり、台TSMCと競合するが、顧客の信頼確保が課題となり、顧客開拓が進まず、現状は自社製品のみに採用されていると見られる。

同社は2025年第4四半期の業績予想についても発表、売上高は128億~138億ドルと予想した。同社は第3四半期に「Xeon 6+」に加え、「Core Ultra」のシリーズ3も発表しており、強気の見通しを示した。

同社のビット・ジンスナーCFOは、「予想を上回る第3四半期の業績は、4四半期連続での実行力改善を示すものであり、当社の中核市場の基盤的な強さを反映している」とし、「現在の需要は供給を上回っており、この傾向は2026年まで続くと見込んでいる」と述べ、第4四半期以降の更なる業績の回復への期待を示した。

出典:Intel Press Release