半導体受託生産世界最大手の台湾・TSMCは2月6日、日本で2番目となる半導体工場を熊本県に建設すると正式発表した。菊陽町に昨年末完成した第1工場の隣接地に建設するとみられる。2027年末までの稼働を目指す。

TSMCの国内第2工場を巡っては、熊本県選出の坂本哲志農林水産相が1月28日の地元での会合で、「2月6日にTSMCが第2工場の建設を発表する」などと発言していたが、この発言通りに正式発表がされた形となった。

第2工場は2024年末までに着工予定。工場の運営会社であるJASMにはTSMCの他、ソニーグループやデンソーなども出資しており、第2工場建設に合わせてそれぞれ追加投資を決めたほか、新たにトヨタ自動車も2%を出資すると決めた。第1工場と合わせた投資額は200億ドル超となる見込みで、「日本政府からの強力な支援を受ける前提で検討している」という。なお、政府は今年度の補正予算で既に第2工場への支援を念頭に先端半導体量産を支援する基金として、7600億円余りを盛り込んでいる。

第2工場が完成すると、第1工場と合わせた月間生産能力は100,000枚(300mmウエハ換算)を超える見込みで、自動車、産業、民生、HPC用途向けに40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nmプロセス技術による生産が行われる予定である。また、両工場の稼働により3400人以上の高度技術専門職を直接雇用する見込みであるとしている。

TSMCによる正式発表を受けて、熊本県の蒲島郁夫知事は「大変うれしく思う」としたうえで、「県としては周辺道路の渋滞解消や取水・排水への対応などの環境整備についてスピードアップを図り、第2工場の受け入れが円滑に進むよう全庁一丸となって対応する」と述べた。

ソニー株式会社プレスリリース

TSMCプレスリリース