国内車載半導体大手のデンソーは、昨年、台TSMCと日本のソニーが出資したJASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)に対し、400億円の少数持ち分出資を行うことをTSMCとソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソーの3社で発表した。これに伴い、デンソーはJASMの10%超の株式を取得する。

また、同時にJASMは2022年の建設開始を目指し、2024年末までの生産開始を目指している事、既に公表済の22/28nmプロセスに加えて、12/16nm FinFETプロセス技術による製造も行えるように強化、月産も当初発表されている45,000枚から55,000枚(300mm)に増強することを発表した。この能力増強に伴い、設備投資額は8,000億ドルから9,800億円に増額される見込み。

今回のデンソーの出資については、自動車メーカーの工場は半導体不足によって、未だに工場が断続的に生産停止している状況であり、その機会損失は膨大な金額になる。世界最大手の自動車メーカーであるトヨタグループの一翼を担うデンソーは、今後自動車の先進技術化によって益々重要となる半導体の安定調達を行う狙いがあり、多額の出資を行う日本政府としても、日本最大の企業であるトヨタグループを間接的に支えることになる今回の発表は、国力の維持に意義のあるものと考えているだろう。