半導体受託生産最大手、台湾・TSMCは1月16日、2024年の決算を発表した。売上高は前年比33.9%増の2兆8,943億800万台湾ドル(約13兆7,600億円)、純利益は同39.9%増の1兆1,732億6800万台湾ドル(約5兆5,800億円)となり、売上高、純利益ともに過去最高を記録した。

プロセス別の売上高割合は3nmが18%、5nmが34%となっており、前年より割合が大きくなっている。また、7nmも売上高の17%を占めている。また、プラットフォーム別の売上高について、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)は前年比58%増で、全体の売上高に占める割合も51%と半分以上となっている。特にAI(人工知能)向けの需要が強力で、先端半導体の売上が増加したことが同社の業績を大きく支えた。加えて、スマートフォン向けは同23%増、IoT向けは同2%増、自動車向けは同4%増、消費家電向けは同2%増となり、これらについても需要が回復した。

同社の魏哲家CEO(最高経営責任者)はAI関連の売上は今年も大幅に成長するとし、通年の売上高はドルベースで前年比20%台半ば近い増加が見込まれると説明。米政府による先端半導体の輸出規制強化の中でも強気の姿勢を示した。

加えて魏CEOは、熊本第1工場が昨年末に量産を開始したことにも触れ、政府などの強力な支援により、「非常に良い歩留まりで量産を開始した」と述べた。一方、今月から3月にかけて着工予定の熊本第2工場については計画に「変更はない」と述べるにとどめ、第3工場への言及もなかった。