SEMIは2021年6月22日、世界の半導体工場予測をまとめたWorld Fab Forecast(WWF)レポート最新版で、2021年には世界の半導体メーカーにより19の新規量産ファブ建設計画が着工し、2022年も新たに10の建設計画が着工されることを明らかにした。全世界で加速する半導体需要に対応するためで、需要拡大は、通信、コンピューティング、ヘルスケア、オンラインサービス、車載など幅広い市場に及んでいる。
地域別では、中国と台湾がそれぞれ8工場に着工し、最多の建設件数となる。これに続くのは、南北アメリカの6、欧州/中東の3で、日本と韓国はそれぞれ2となる(図)。


ウエハサイズ別では、300mm工場が2021年に15、2022年に7と最多となる。2年間に着工が予定される残りの7の工場は、100mm、150mm、200mmウエハ対応のものとなる。これら29工場の生産能力は200mmウエハ換算で最大月産260万枚となると見込まれる。
対象半導体分野では、2021年着工数のうち15工場がファウンドリで、その生産能力は200mmウエハ換算で月産3万枚〜22万枚。残りの4工場はメモリで、その生産能力は200mmウェーハ換算で月産10万枚〜40万枚と見込んでいる。
着工から装置搬入フェーズに至るまでには最大2年が必要なため、2021年に新規ファブ建設に着工しても、そのほとんどが2023年に装置への投資を開始することになる。しかし、いくつかのFabは来年前半に装置の搬入を開始する可能性があるとしている。
2022年については現時点では10工場の建設開始を予想しているが、今後半導体メーカが新たな工場計画を発表、工場数も増加することが考えられる。レポートでは、ファブの建設投資と装置投資に加えて、生産能力、製品、テクノロジーについても、2021年から2022年にわたって予測している。
なお、World Fab Forecastでは、29のファブに加えて、同時期に建設が開始される実現可能性の低い8のプロジェクトも収録されている。
SEMIのAjit Manocha会長兼CEOは、「世界的なチップ不足に対応するために、29の新規ファブによる装置投資額は、今後数年間にわたり合計1,400億ドルを超えることが予測される」としている。