半導体製造装置部品商社の内外テックは10月11日、岩手県奥州市江刺の工業団地「江刺フロンティアパーク2(FPⅡ)」に精密加工部品の工場を新設すると発表した。2025年に着工し2027年秋頃の操業開始を目指す。

同社は半導体製造装置の製造に欠かせない空気圧機器や真空機器などを取り扱っている。同市江刺には2017年に子会社の内外エレクトロニクスが進出しており、2022年には江刺事業所を新設、東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ東北事業所の手掛ける半導体製造装置の組み立てなどを行っている。また、2023年には江刺事業所内に「内外テック江刺開発センター」を開設している。

同社はFPⅡ内の1万6,433平方メートルの用地を約2億2,000万円で取得した。最初に延べ3,000平方メートルの工場を1棟建設する方針で、事業費は12億円以上を見込む。完成後には2棟目の工場建設も構想する。工場では江刺開発センターなどで開発された半導体製造装置向け部品などを生産する。また、2026年までに約10人を新規雇用する予定である。

奥州市は東北のほぼ中央に位置し、東北自動車道や東北新幹線が走る。市内には東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ東北事業所があるほか、市の北側に隣接する金ヶ崎町にはトヨタ自動車グループの生産拠点、北上市にはキオクシアの製造子会社が立地する。こうした環境の下、奥州市は半導体・自動車関連企業を積極的に誘致している。

内外テックの岩井田克郎社長は「工場の成長と飛躍が市の発展にもつながる。全力を尽くし半導体ビジネスを拡大していく」と述べた。また、奥州市の倉成淳市長は「市の産業技術の高度化を推進し、半導体産業発展の地よくを担うことを期待する」と述べた。