ルネサス エレクトロニクスは、3月の火災により稼働を停止していた那珂工場N3棟クリーンルームの運転を4月9日に再開したことを発表した。
今回の火災により同棟1階のクリーンルームの5%にあたる約600m²が焼損し、工場内もすすで汚れた。その後、社外から最大1,600人の支援に入るなど復旧を進め、9日午後9時頃にクリーンルーム内部の床、床下、壁および天井上下の清掃に加え、天井に配置したエアフィルタの交換により、クリーンルーム全体の除染を完了した。
ルネサス側の見通し通りに生産体制が整えば、出荷量が従来の水準に回復するのは6月末となる。今後は火災で再調達が必要になった製造装置の納入状況が生産、出荷の回復スピードを左右する。
同社では生産再開のタイミングは、当初目標どおり火災発生から1か月以内を目指している。この目標通りに生産体制が整ったとしても、出荷量が従来の水準に回復するのは早くても6月末となる見通し。
自動車用半導体を数多く製造している同工場の稼働停止の影響は大きく、自動車産業の業界団体、経済産業省などは台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)社に対して代替生産の要請を行っている。