国内大手製造装置メーカーのSAMCOは2022年2月24日、新しい薄膜形成装置の開発と販売を目的として、2022年3月20日付で、ナノ薄膜開発センターを立ち上げることを発表した。同センターは従来の「基盤技術研究所」を改組して立ち上げるもので。建築面積413.90m²で、デモ用の成膜装置や各種測定・評価装置を設置している。
同センターでは、ALD装置を中心とする薄膜形成装置の開発とミストCVDなどナノレベルの酸化膜や窒化膜を中心とした成膜プロセス技術の開発、薄膜特性の基礎研究や物性評価などに注力していく。ミストCVDは原料となる溶液を霧状にしてキャリアガスで反応室の試料上へ運び、反応させる成膜手法。大気圧プロセスであるため、装置コストを抑えることができると期待されている。
2015年に販売を開始した半導体・電子デバイス分野向けALD装置の改良・生産装置対応を進展させるとともに、医療・ヘルスケア分野向けには、バリア膜やコーティング膜、医療材料、インプラント材料のコーティングなどの用途に対応した新規装置開発にも力を入れていく。
同社のALD装置の年間売上高は現状は3億円程度だが、5年後には年間売上高30億円規模に拡大させる計画である。また、現状8名程度の人員についても、3年後を目途に20名規模に増員する予定。