韓国の半導体材料メーカー・Dongjin Semichem(以下 Dongjin)が韓国の大手半導体メーカであるSK-Hynixに対してHBM用CMPスラリーの供給を開始したことが3月6日、明らかになった。 

 これまで韓国内のHBM用CMPスラリーは韓Soulbrainが独占供給していた。ところが昨年からHBM生産量が急拡大し、サムスン電子とSKハイニックスを始めとするチップメーカーはHBM用CMPスラリーの供給網の拡大を推進していた。 

 Dongjinは韓国で初めてCMP事業に参入し、サムスン電子、SKハイニックス両社に酸化膜CMPスラリーやメタルCMPスラリーを供給している。HBM用CMPスラリーについては最近開発が完了し、1月に行われた「SEMICON KOREA 2024」で関連技術を紹介していた。業界関係者によれば、同製品は品質テストを完了し、2024年第1四半期よりSKハイニックスに少量の供給を開始したとのこと。 

 同社のHBM用CMPスラリーに対するSKハイニックス内での評価は肯定的だ。SKハイニックスに近い関係者は「DongjinのHBM用CMPスラリーが競合他社の製品に比べ良い評価を受けているものと把握している」と述べており、好評価だったことで品質テストを通過し、少量供給が開始されたとしている。 

 SK-HynixはDongjin製のHBM用CMPスラリーについて、まずは一部の工場に少量導入し、その後使用量を徐々に拡大していく計画である。Dongji製スラリーの供給が本格化すれば、韓 Soulbrainの市場独占が打破され、競争が開始されると見込まれる。 

 なお、DongjinではHBM用CMPスラリーの他、ハイブリッドボンディング用のCMPスラリーなども開発中である。2大メーカーの先端半導体開発・製造に先導され、国産先端材料の開発も大きく進歩している。