ルネサス エレクトロニクスは2021年6月25日、2021年3月に火災事故のあった那珂工場の生産能力が火災事故前の水準を回復したことを発表した。火災後に再調達した製造装置の立ち上げなどが完了、火災前の生産量を確保できる体制が整った。ウエハの投入から出荷までには時間が掛かることから、出荷量が正常化するのは7月3週目になる見込み。
那珂工場N3棟は3月19日に火災に見舞われたが、4月17日に生産を再開した。当初の計画では5月中に生産量を火災前に戻す見通しだったが、製造装置の再調達や調整などによって、想定よりも時間を要することになった。

ルネサスの主力である車載半導体は、未だに半導体不足によって自動車工場が操業停止するなど、深刻である。2021年6月に半導体不足を理由工場の操業停止を発表したのは国内メーカーでは、トヨタ、日産、スズキ、マツダ、スバル、三菱自動車、ダイハツ。海外メーカーでは、独フォルクスワーゲンがブラジル工場での操業停止を発表している。

世界的な半導体不足を受け、国家、メーカーともに増産に向けて大規模な設備投資を実施しているものの、この設備投資が実際に半導体の供給に回るのに2年程度のタイムラグが生じると見られており、半導体最大手、インテルのゲルシンガーCEOはインタビューで「半導体産業は2023年まで健全な需給状態には戻らないと見ている」と回答している。