米 Intelは9月5日、Tower Semiconductor(以下、Tower)にファウンドリーサービス及び300mmウエハ工場の生産能力を提供する契約を結んだと発表した。これにより、Towerはニューメキシコ州リオランチョにあるIntelの先端工場「Fab11X」を利用できるようになる。また、Towerは最大3億ドルを投じて、同工場に自社の生産設備を整備する予定である。

両社は今回の合意について、「IntelとTowerの両社が比類のないソリューションと拡張された能力で、それぞれのファウンドリーフットプリントを拡大するというコミットメントを示すものだ」と述べている。

Intelは製造関連戦略「IDM2.0」を掲げてファウンドリー事業の強化を進めており、2022年2月15日にTowerを54億ドルで買収する計画を発表していたが、契約期限内に規制当局の承認を得られず、2023年の8月16日に買収を断念していた。一方で、IntelのCEOであるPat Gelsinger氏は、「今後も協力の機会を探し求めていく」としていた。

今回の契約により、「Fab11X」ではTowerの65nmパワーマネジメントBCD(bipolar-CMOS-DMOS)及びRF SOI(シリコン・オン・インシュレーター)プロセスでの製造を行う予定である。同社は今回の契約により、既存技術の提供を拡大するだけでなく、強力な次世代テクノロジーのロードマップの構築に貢献する業界をリードする顧客とのパートナーシップの強化が可能となる。

同社のCEOであるRussell Ellwanger氏は、「Intelとの協力関係を継続できることを喜ばしく思う。Intelとの協業により、2024年に予定されている完全なプロセスフロー認定に向け、先進的なパワーマネジメントとRF SOIソリューションに特に注力し、顧客の需要ロードマップに対応することができる。今回の合意は、Intelとの独自の相乗効果を発揮する複数ソリューションの、第一歩となるものだ」とし、生産能力拡大への期待とともに、両社の今後の更なる協力関係強化への期待を述べた。