2023年3月31日、デンソーは、同社では初となるSiCパワーデバイス駆動素子を用いたインバーターを開発したことを発表した。このインバーターは、デンソーとアイシン、そしてトヨタ自動車が出資する電動モジュール製造企業であるBLUE NEXUS(ブルーイーネクサス)社のE-Axle(モーター、インバーター、トランスアクスルを一体化したモジュール)に組み込まれ、トヨタ自動車の高級車ブランド「LEXUS」初のBEVモデルである「RZ」に搭載されている。

このインバータ向けSiC駆動素子は、レゾナックの6インチSICエピタキシャルウエハを用いて製造されている。

レクサスの「RZ」は、フロントに204馬力/266Nm、リアに109馬力/169Nmを発生するモーターを搭載した4輪駆動モデルで、J-WLTCモードによる航続距離は494Kmとなっている。先にトヨタから発売されたBEVであるBZ4X(インバーター駆動素子にRC型 Si IGBTを採用した)では、実走行距離は公称航続距離の540kmから大きく乖離する事例が多かったという声が出ていることから、改善を期待したい。