半導体受託生産世界最大手の台湾・TSMCは1月10日、2023年12月の売上高を発表した。これによると、2023年12月期の売上高は1,763億台湾ドルで、前月比14.4%減、前年同月比8.4%減となった。これにより、同社の売上最高額である2,432億台湾ドルを記録した2023年10月を境にして売上高は2カ月連続で減少したことになる。特に12月は昨年下半期で最低額となり、年間でも5番目に低い売上高となった。

一方、同社のデータに基づく第4四半期の売上高は6,255億台湾ドルで、会社予想と市場予想のどちらも上回り、同社の四半期業績で最高だった前年同期に匹敵する水準となった。米NVIDIAや米AMDといった人工知能(AI)関連企業からのAIチップ需要がTSMCのハイパフォーマンス・コンピューティング事業を後押しし、スマートフォンやノートパソコン向けチップ販売の不振を補ったことにより、第4四半期の売上につながったとみられる。なお、2023年通期の売上高は2兆1,600億台湾ドルで前年比4.5%減となった。

同社は1月18日に第4四半期の決算発表と2024年の見通しを発表する予定だが、同社は在庫の解消と世界的な半導体需要の回復により、2024年の売上高は20%以上増加すると予想している。