GNC letter
GNCレター
2025年7月28日、米Teslaが次世代人工知能(AI)用半導体を韓Samsung Electronicsに製造委託することが明らかになった。契約は23兆ウォン規模。サムスンが米テキサス州テイラーに建設する半導体工場で車載やヒューマノイドに搭載される「AI6」用のSoCを製造する。契約は7月26日に締結されたものと見られ、2033年12月31日まで継続される。
Teslaの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は28日に自身のXに、「サムスンの巨大なテキサスの新工場はTeslaの次世代AI6チップの製造に専念する予定だ」と投稿したことにより、明らかになった。同氏はまた、「サムスンはTeslaが製造効率の最大化を支援することに同意した」とし、進捗のペースを加速させるため、同氏自ら建設中の工場を視察する考えも示した。
Teslaは現行のSoC(AI4用)の製造をサムスンに委託しているが、同社は3nmノードの製造において、歩留まりなどで台TSMCに遅れをとっており、2026年末頃に量産予定の3nm世代品に関してはTSMCが製造することが決定している。その次の世代(2nm)で再びSamsungに委託先を戻すこととなった。
2027年以降に量産されるとみられる2nm世代SoCのメインターゲットはTeslaの製造するヒューマノイドロボット「Optimus」に使用されるカメラモジュール。同ロボット向けにカメラモジュールを供給するのは初となる。Samsungは最近、第2四半期の説明会において「グローバルリーディングヒューマノイドロボットの顧客用に開発課題を確保し、新規ロボット市場における技術のリーダーシップを固めた」と明らかにしていたが、その顧客がTeslaということだ。
Samsung Electronicsのファウンドリ事業は稼働率の低下により伸び悩みを見せている。そんな中で、開発中の次世代品においてヒューマノイドロボットを先導するTeslaの受注を同社のファウンドリ事業史上最大規模で獲得した。今後、市場規模の拡大が期待されるフィジカルAI分野の攻略により、逆転を目指していく。
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