中国のシリコンファンドリ企業Semiconductor Manufacturing International(SMIC)社は2020年2月4日、2020年度第4四半期(2020年10月〜12月)業績を発表した。
売上高は9億8,100万米ドルで、前年度同期比16.9%増、前期比9.4%減となった。営業利益は1,720万米ドルで、前年度同期比14.4%減、前期比90.6%減となった。純利益は2億2,860万米ドルで、前年度同期比約3倍(202.1%増)、前期比では13.2%減となった。
設備投資額は13億3,340万米ドルで、前期から約半減となった。
ウェーハ出荷量(200mmウェーハ換算)は141万5,788枚で、前年度同期比5.7%増、前期比1.7%減となった。売上高の89.0%がウェーハ販売が89.0%、その他が11%。
売上高の地域別構成比率は北米27.7%、中国&香港が56.1%、ユーラシアが16.2%となった。アプリケーション別構成比率はスマートフォンが36.7%、スマートホーム向けが15.8%、コンシューマ・エレクトロニクスが20.2%、その他が27.3%。
プロセスルール別構成比率は、14/28nmが5.0%、40/45nmが14.8%、55/65nmが34.0%、90nmが3.5%、0.11/0.13μmが6.2%、0.15/0.18μmが32.5%、0.25/0.35μmが4.0%となった。14/28nmという同社の最先端プロセスによる売上高は前期の14.6%から5.0%にまで減少している。これはHuawei向けの供給ができなくなったことが原因とみられる。それにより前期比から収益が大幅に減少したと見られる。
同四半期の月産生産能力は200mmウェーハ換算で520万750枚、稼働率は95.5%となった
2020年度通期売上高は前年度比25.3%増の39億1,000万米ドルで、過去最高の売上高となった。純利益も前年度同期の3倍増の7億1,600万米ドルとなった。通期設備投資額は57億3,200万米ドル。当初計画の59億米ドルからは引き下げられた。
2021年度第1四半期(2021年1月〜3月)の売上高は前期比7〜9%増、利益率は17〜19%を計画している。2021年度通期の設備投資額に関しては前年度比25%減の43億米ドルを計画している。
同社の趙海軍CEOは記者説明会の席上で、「半導体製造設備の調達に遅れが出ている」ことを明らかにした。米国は先端技術を利用した半導体製造設備の輸出規制対象にSMICを指定しており、そのために「発注した製品の一部が2021年2月になっても到着していない」としている。このような状況から2021年の設備投資額を前年度比25%減に抑制、先端分野への投資を控えるとの考えを示した。