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GNCレター
先端半導体の国産化を目指すRapidusは2026年2月27日、政府と民間から総額約2,676億円の資金調達を実施したことを発表した。内訳は政府が約1,000億円、民間が約1,676億円となる。民間からの投資に関しては2025年度の調達目標額の1,300億円を上回った。
政府については情報処理推進機構(IPA)が約1,000億円を出資する。この資金は2025年9月3日から10月2日にかけて経済産業省が実施した、指定高速情報処理用半導体の生産体制を整えることを目的とした公募に同社が応募し、選定されたことによるもの。この出資の条件により、政府は筆頭株主となり議決権11.5%を取得したうえ、同社の重要事項について拒否権を発動できる黄金株を持つことになる。また、同社が経営上の危機に陥った際には政府は持分比率を50%まで引き上げ、経営権を取得できるという条件も付与された。
一方、民間企業を中心とした資金調達に関しては、出資企業がこれまでの8社から32社に増えた。各社の出資額については開示されてはいないものの、計210億円を出資するソフトバンクとソニーグループが民間では最大の株主となったものと見られる。また、富士通が新規で200億円を出資したほか、NTTが計110億円、トヨタ自動車が計50億円規模を出資したものと見られる。また、新規出資した企業としては富士通の他ではホンダ、キヤノン、京セラ、大日本印刷、富士フイルム、古河電気工業、みずほ銀行、三井住友銀行などが挙げられる。Rapidusの2nm半導体の設計技術を提供する米IBMも日本法人を通じて出資した。
Rapidusの取締役専務執行役員CFOを務める村上敦子氏は今回の資金調達に関して、「出資者は我々の製造や経営のスピードに賭けてくれている。期待以上の数の企業から支援を受けられた」と説明。同社は2025年4月に工場を稼働させ、同年7月には2nm GAAトランジスタの動作を確認し、12月に人工知能(AI)半導体の組み立て工程で使用する部材を開発するなど、2027年の2nmロジック半導体量産に向けて着実な技術的成果を挙げており、概ね計画通りに事業が進展していることが出資を呼び込んだ。
同社の2nm半導体量産及び次世代の1.4nm半導体開発に向けては2031年度までに計7兆円超の資金が必要とされる。経済産業省は補助金や出資により累計3兆円規模の支援を決定しているほか、2兆円をメガバンク3行から融資を受ける見通しとなっているものの、残りの約1兆8,000億円を自己資金と民間出資で調達する必要がある。村上氏は2026年度以降の資金調達について、「国内外の投資家などからの調達を考えていく」と述べており、民間からの更なる出資を求めていく考えである。なお、外資企業の出資の受け入れについては考えていないとのことである。
出典:Rapidus お知らせ
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