中国の半導体受託生産大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は2月6日、2023年度第4四半期(10~12月期)と通期の決算を発表した。これによると、第4四半期の売上高は、前期比3.6%増、前年同期比3.5%増の前年同期比16億7,830万ドル、純利益は前期比86%増、前年同期比55%減の1億7,468万ドルとなった。また、通期の売上高は前年比13%減の63億2,160万ドル、純利益は前年比50%減の9億250万ドルとなった。

同社発表によれば、業績について、「この一年間、半導体業界がサイクルの底にあり、グローバル市場の需要が低迷した。業界の在庫は高水準にあり、在庫処分のペースは鈍化し、結果として、グループの平均稼働率は低下し、ウエハ出荷量が減少した」と理由を説明している。なお、同社CEOの趙海軍氏によれば、第4四半期に売上高が回復したのは、昨年末にスマートフォンやパソコンメーカーからの受注が急増したためということであるが、これが持続的なものなのかについては慎重な姿勢を示した。

経営陣によれば、2024年にはスマートフォンやパソコン、IoT製品の牽引により、中国の半導体需要は緩やかに回復する一方、自動車・産業向けについては高水準の在庫を抱えるため、低迷するとの見通しである。

こうした市場見通しを踏まえ、同社は2024年度第1四半期(1~3月期)と通期の予想についても発表。売上高は前期比0~2%増、粗利益率は9~11%との見通しを示した。平均販売価格の低下や減価償却費の増大を受け、粗利益率はここ10年間で最も低い水準となる見通し。また、2024年度通期の売上高については、前年比で1桁台の伸びにとどまるという見通しを示した。

出典:SMIC Quarterly Earnings 2023 fourth quarter