半導体製造装置を手掛ける中国の大族半導体(HSET)は8月22日、コア部品を100%国産化したハイエンドのレーザーダイシング装置を開発したと発表した。

同社は工業用レーザーメーカーである大族レーザー(HAN’S LASER)の完全子会社で、ウエハの切断・加工装置を専門的に扱っている。中国では日米をはじめとする国々による先端半導体製造に関わる製品の中国向けの輸出規制により、装置の国産化に着手しており、ウエハ加工装置分野ではこれまで完全な国産化製品は開発されていなかった。

同社発表によれば、今回開発に成功した「DA100」はレーザーアブレーションプロセスによるウエハ切断システムであり、表面切断(切断深さ ≤ 20 μm、切断幅はカスタマイズ可能)、ハーフカット(切断深さ ≤ 100 μm、切断幅 ≤ 20 μm)、フル切断 (切断深さ ≤ 200μm ウエハ幅 ≤ 30μm)の3つの分離プロセスが実現される。また、従来の切断能力と比較して、厚さ200μm以下のウエハ製品にも対応可能となり、シリコン、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、サファイア、リン化インジウム、セラミック、金属といった様々な材料の分離プロセスに対応可能であるとする。

同製品の切断効率、精度、安定性は世界的に見ても先進レベルといえる。こうした製品のコア部品が100%国産化されたということは、中国半導体産業が急成長しているという証であり、今後も技術の更なる飛躍的発展が予測される。