京大発の酸化ガリウムデバイスの量産を目指す企業、FLOSFIA(フロスフィア)は、同社の独自技術であるミストドライ法®(霧状の原材料を投入し、加熱して気化後、ガス状態で化学反応を行う成膜法)で作成した、高品質膜を用いて、アンペア級・1700V耐圧級のコランダム型酸化ガリウムSBD(ショットキ・バリア・ダイオード)の開発に世界で初めて成功したと発表した。

 

同社では、これまでも世界トップデータとなる特性オン抵抗値の実現(市販SiCより86%のオン抵抗低減)や600V耐圧・1,200V耐圧SBDサンプル出荷、京都大学桂キャンパス近郊(京都市西京区)のマザー工場整備など、酸化ガリウムパワー半導体の実用化を進めてきた。

酸化ガリウム(Ga2O3)は、SiCやGaNといった現在急速に普及している化合物半導体より、バンドギャップが大きく、電力性能や耐圧性能にも優れ成膜の品質も高い上、基板の加工性にも優れることから、次世代化合物半導体の本命と見る人も少なくない。

今回の研究成果であるアンペア級1700V耐圧のSBDはFLOSFIA「GaO®」シリーズの将来デバイスとして展開予定していくという。