半導体受託生産大手、台UMCと米国内で高電圧・パワー・センサー技術に特化した半導体受託生産を行う米Polar Semiconductorは2025年12月4日、米国内で高品質な8インチウエハの生産の拡張のための協業を検討するための覚書(MOU)を締結したと発表した。

協業により、両社はPolarが新たに拡張した米ミネソタ州の8インチ製品の拠点で製造が行われる。Polarの持つ米国内の8インチウエハの製造設備と、UMCが蓄積してきた幅広い8インチ技術を組み合わせることで、高品質なウエハを効率的に生産できるようになる。また、Polarの高電圧・パワー・センサーに特化した技術とUMCの成熟したプロセス技術を組み合わせることで、自動車、データセンター、民生機器、航空宇宙、防衛など、幅広い産業で必要となる半導体を供給できるようになる。現在、地政学的リスクが懸念されている中で、半導体サプライチェーンを強化し、基幹分野向けの半導体供給の安定化に繋げる狙いだ。加えて、UMCのグローバル顧客ネットワークを活用することにより、Polarは新規市場開拓や顧客層の拡大に繋げることができる。

Polarのマーケティング担当副社長のKen Obuszewski氏は、今回の協業について、「米国内製造の需要増大に対応するPolarの戦略に沿ったものであり、米国および世界の顧客からの半導体ソリューションの国内回帰ニーズに応えるものだ」と述べた。

UMCのグローバル営業担当上級副社長のOliver Chang氏は、「UMCは幅広いファウンドリ技術と地理的に多様な製造オプションを通じて顧客の成功を支援することに尽力している」としたうえで、今回の協業が「米国内製造チップへの顧客ニーズに直接応えるものだ」と強調した。

出典:UMC Press Release