半導体製造装置最大手の蘭ASMLは2025年10月15日、2025年第3四半期の決算を発表した。売上高は前期比2%減、前年同期比1%増の75億1,600万ユーロ、純利益が前期比7%減、前年同期比2%増の21億2,500万ユーロとなり、前期比では減収減益、前年同期比では増収増益になった。

同社の業績を牽引するのは最先端半導体の量産に不可欠な極端紫外線(EUV)露光装置で、同四半期の受注高の3分の2を占めている。最先端品であるHigh-NA EUV製品の採用も進展しているという。人工知能(AI)向け半導体の需要が継続的に増加しており、今後もEUV露光装置の需要が増えていくことが予想される。一方で、前世代品である深紫外線(DUV)露光装置の販売は前年実績を下回った。

同社は2025年第4四半期の業績予想についても発表。売上高を92億~98億ユーロ、粗利益率は51~53%の範囲を見込む。また、2025年通期では売上高は15%の増加を見込んでいるという。

同社のクリストフ・フーケ最高経営責任者(CEO)は第3四半期について、「ASMLにとって良い四半期となった」とし、「AI投資には引き続き前向きな勢いが見られ、これがより多くの顧客に広がっている」と説明した。一方で、中国向け需要については米国による輸出規制強化の影響から、2026年に「大幅に減少する」と予想したものの、「2026年の総売上高が2025年を下回ることはない」との見通しを示した。同社の第3四半期の中国向けの出荷は全体の42%を占めており、米中対立による影響が懸念されているが、これによる同社への短期的な影響はないとの見方である。

出典:ASML Press release