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台湾の半導体大手、MediaTekは2025年10月14日、米NVIDIAと協業し、NVIDIAの手掛ける世界最小のAIスーパーコンピューター「DGX Spark」に搭載される「GB10 Grace Blackwell Superchip」を開発したと発表した。
「DGX Spark」は個人向けのAIスーパーコンピューターで、デスクトップ上で大規模なAIモデルのプロトタイピングや、微調整、推論が可能となる。10月15日に一般向けの提供が開始される。
「GB10 Grace Blackwell Superchip」は、同社の培ってきた省電力かつ高性能なCPU設計、メモリサブシステム、高速インターフェースの経験を活かし、Grace 20コア Arm CPUを駆動する。ここに最新のBlackwell GPUと128GBの統合メモリを組み合わせると、同製品は最大で1PFLOPのAI性能を発揮し、モデルのチューニングやリアルタイム推論を加速する。これにより、最大 2,000億パラメータ の大規模AIモデルを扱うことができ、また内蔵のConnectX-7ネットワーク技術を用いて2台のDGX Sparkシステムを接続することで、最大 4,050億パラメータのモデル推論が可能となったという。また、非常にコンパクトでデスクトップに容易に接続可能なほか、非常に省電力で、一般の電源コンセントで駆動可能であるという。
MediaTekのデータセンター&コンピュート事業部門のコーポレートバイスプレジデントを務めるVince Hu氏は「GB10 Superchipは、データセンター向けの高性能コンピューティングに関する当社の専門知識と、コンシューマーデバイス向けの省電力技術を組み合わせ、AIワークロードを実行するために特別に設計されている」とし、これが搭載された「DGX Spark」が「AIプロトタイピングの次の時代を切り開く」ものであると強調した。
今後、「GB10 Superchip」は「DGX Spark」などの小型スーパーコンピューターのみならず、データセンターやIoT・エッジAIデバイス、ソフトウェア定義車両(SDV)など、幅広い分野への搭載が期待されている。
出典:Mediatek Press room
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