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GNCレター
メモリ大手、韓SK hynixは2025年9月12日、HBM4の開発を完了し、世界で初めて量産体制を構築したと発表した。同社はHBM市場で世界トップシェアを誇り、米NVIDIAのAI半導体向けHBMの約75%を供給している。これまでの世代に続き、次世代品についても最も早く開発を完了し、業界をリードしていく。
同社のHBM4は既存の世代に比べて2倍の2,048個ものデータ転送通路(I/O)を適用し、帯域幅を2倍に拡大し、電力効率を40%以上向上した。同製品を顧客のシステムに導入することで、AIサービスの性能を最大で69%まで向上させることができ、データのボトルネック現象を根本的に解消すると同時に、データセンターの電力コストも大きく減らすことができるという。また、動作速度も10Gbps以上を達成し、HBM4のJEDECの標準速度である8Gbpsを大幅に上回ったという。
同製品の製造にはHBM3Eの製造時に適用したMR-MUF(Mass Reflow Molded Under Fill 多段のDRAMチップを液状樹脂を用いて一括封止する。)の改良版「アドバンスドMR-MUF」方式を採用した。これにより、積層時の安定性を確保するとともに、発熱性能も改善したという。
同製品の開発を主導するチョ・ジュファン副社長は「HBM4の開発完了は業界の新たな節目となる」とし、「顧客が求める性能、エネルギー効率、信頼性を全て満たす製品を適時に供給し、AIメモリ市場における競争での優位性を確保し、迅速な市場への進入(Time to Market)を実現する」と大きな自信を示した。
同製品は現在、様々な顧客と認証手続きを行っているものと見られる。米NVIDIAは2026年にリリース予定の次世代HBMにHBM4を搭載する予定であり、同製品の認証もまもなく完了するものとみられる。
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