GNC letter
GNCレター
三菱電機は4月15日、エアコンなどの白物家電向けのパワー半導体モジュール「SLIMDIP」シリーズの新製品2種類を開発し、サンプル提供を4月22日から開始すると発表した。
「SLIMDIP」シリーズは小型で端子配列を最適化した独自パッケージで、2015年に開発された。RC-IGBT(IGBTとダイオードを1チップ化したもの)を搭載し、従来品であるトランスファーモールド構造のインテリジェントパワー半導体モジュール「DIPIPM」の第6世代品と比べて約30%の小型化を実現した。
同社は家電のインバーター回路の更なる省エネ化を目指し、SiC製品の開発に着手。2010年に世界で初めてSiCパワー半導体モジュールを同社のルームエアコン「霧ヶ峰」に搭載した。また、2016年にはSiC-MOSFETを搭載した「フルSiC超小型DIPIPM」を発売した。
今回、同社は「DIPIPM」よりさらに小型の「SLIMDIP」シリーズに搭載可能な独自のSiC-MOSFETチップを新たに開発し、SiC製品を初めて「SLIMDIP」パッケージに搭載することに成功した。これにより、Siベースの「SLIMDIP」製品と比べて高出力を実現することが可能になり、1つのパワー半導体モジュールでより電気容量の大きい家電まで対応可能になったという。
新製品はモジュール内のチップ全てをSiCにしたフルSiC製品と(SiとSiCを併用したハイブリッドSiC製品の2種類。フルSiC製品は従来の「SLIMDIP」製品に比べ、電力損失を約79%低減、ハイブリッドSiC製品は電力損失を約47%低減し、家電の低消費電力化に貢献するとしている。
同社は、新製品の登場により、家電のインバーター基板への仕様においては、同一パッケージの3製品(SiC2製品とRC-IGBT SLIMDIP)から、電気容量や能力等のニーズに合わせた選択が可能となり、インバーター基板の設計負荷の軽減を図ることができるようになるとしている。
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)