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GNCレター
半導体製造装置大手、蘭ASMLは4月16日、2025年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。売上高は前期比16.4%減、前年同期比46.4%増の77億4,200万ユーロ、純利益は前期比12.6%減、前年同期比92.4%増の23億5,500万ユーロとなり、前年同期比では増収増益となった一方、前期比では減収減益となった。
前年同期との比較では、人工知能(AI)などに用いられる最先端半導体の製造に不可欠である極端紫外線(EUV)露光装置、前世代品である深紫外線(DUV)露光装置の販売が増加した。また、2024年第1四半期は台湾や韓国、米国向けが減少したが、2025年第1四半期にはこれらの国・地域での売り上げが持ち直した。
一方、前期との比較でみると、米国向けの割合が大きく減少した。これに加え、2025年第1四半期は新規受注額が前期比44.5%減の39億3,600万ユーロと低迷、アナリスト予想48億9,000万ユーロを大きく下回った。米国ではトランプ大統領が1月の就任時から関税の引き上げを示唆、4月に入り相互関税の導入が正式に発表された。半導体については対象から除外されたものの、景気後退などの懸念から半導体企業各社が投資に対して慎重になっている可能性がある。同社のクリストフ・フーケCEOも「最近の関税がマクロ環境の不確実性を高めている」と述べ、今後の見通しについて不安を示した。
こうした中、同社は2025年通期の売上高予想も発表。300億ユーロから350億ユーロと当初の予想を据え置いた。フーケCEOは「2025年と2026年は成長の年になると予想している」とも述べていたものの、やはり米国の関税政策による不確実性から予想の引き上げについては見送ったようだ。
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