GNC letter
GNCレター
政府は、2025年2月18日、「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(GX推進戦略)」を改訂した「GX2040ビジョン」が閣議決定されたことを発表した。
政府はGX2040策定の理由について、2023年に「GX推進法」・「GX脱炭素電源法」を成立させ「GX推進戦略」の閣議決定を行い、GX実現に向けた「成長志向型カーボンプライシング構想」等の新たな政策を具体化したが、将来の見通しに対する不確実性が高まる中、GXに向けた投資の予見可能性を高めるため、GXの取組の中長期的な方向性を官民で共有すべく、GX推進戦略を改訂したとしている。
GX2040ビジョンは、①はじめに、②GX産業構造、③GX産業立地、④現実的なトランジションの重要性と世界の脱炭素化への貢献、⑤GXを加速させるためのエネルギーをはじめとする個別分野の取組、⑥成長志向型カーボンプライシング構想、⑦公正な移行、⑧GXに関する政策の実行状況の進捗と見直しについての8つのパートで構成されており、その中で半導体についてもGX推進の重要な要素として取り上げられている。
具体的には、まず「③GX産業立地」の脱炭素の活用を見据えた産業集積の加速として、ペロブスカイト太陽電池や革新的蓄電池を加えて、脱炭素電力等のクリーンエネルギーを利用したGX製品・サービスが付加価値を生む半導体等のGX産業が日本の新たな成長産業の牽引役として挙げられており、政府は、現在脱炭素電源にも恵まれた北海道や東北、九州地域などに、半導体関連産業等の企業が、投資決定や新たな投資を検討するなどの動きを例に挙げ、このような産業の動向をGX型の産業構造転換につなげていくとしている。
また、「⑤GXを加速させるためのエネルギーをはじめとする個別分野の取組」では、半導体はDXやGX、経済安全保障において不可欠な戦略物資であり、生成AI、自動運転等の普及に伴う電力需要増大に対応するため、最先端半導体等の開発・量産を通じた省電力化推進が急務であるとしている。 そのために政府は、最先端半導体やパワー半導体等の国内製造基盤の強化、光電融合技術・先端メモリ等の技術開発、専用半導体設計に対する支援を継続しつつ、引き続き省エネルギー化と高性能化を推進し、DXとGXの両立を通じて我が国の国際競争力の強化を推し進めていくとしている。
GX基本方針や改定前の「GX推進戦略」でも半導体に関する記載はあったが、脱炭素目的のデジタル投資として、半導体分野への支援の検討を進める程度にとどまっており、今回の改定で半導体分野の取り組む方向性についてより具体的になった形だ。
参考
https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218004/20250218004-1.pdf
半導体/MEMS/ディスプレイのWEBEXHIBITION(WEB展示会)による製品・サービスのマッチングサービス SEMI-NET(セミネット)