半導体製造装置メーカー、韓国・SEMESは10月21日、韓国初のプラズマタイプの半導体ドライ洗浄装置「PURITAS」を開発し、量産に突入すると発表した。

同装置は半導体回路の微細化、高集積化に伴い、工程の限界がある既存のウェット洗浄方式ではなく、ドライ洗浄方式を採用した装置。ウエーハにダイレクトプラズマを使用せず、リモートプラズマを使用し、様々な膜質の高選択的洗浄・エッチングが可能で、生産性が大きく向上したとしている。

また、ドライ洗浄装置で先行する東京エレクトロンが採用するガス方式の限界も改善したとしている。同装置では、基板に損傷を加えるイオンを使用せず、化学反応を起こすラジカルだけを使用し、高選択的な側面エッチングが可能になったとしている。

同装置は次世代デバイスと呼ばれる3D-DRAM、Gate All Around(GAA)モジュール制作に加え、GAAを積層した構造のCFET工程に活用されることが想定されている。

同社のチェ・キリョン最高技術責任者(CTO)は「今年の量産1号機の出荷を皮切りに、今後、3D製品転換時に需要が増加することが予想されるだけに、ドライクリーニング市場で主導権を確保していく」と意気込んだ。

これまでは、東京エレクトロンをはじめとする一部のメーカーのみがドライ洗浄装置を生産してきたが、今回新たにSEMESが最先端装置を投入し、優位に立とうとしている。AI(人工知能)の急速な普及を背景に、半導体の更なる微細化、高集積化の流れが加速している。今後、洗浄装置市場ではこのドライ技術での競争が激化していくものとみられる。