半導体受託生産最大手の台湾・TSMCは10月17日、2024年第3四半期の決算を発表した。売上高は前期比12.8%増、前年同期比39.0%増の7,596億9,000万台湾ドル(約3兆5,500億円、235億米ドル)、純利益は前期比31.2%増、前年同期比54.2%増の3,252億6,000万台湾ドル(約1兆5,200億円、101億米ドル)となり、売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高を更新した。

プロセスノード別では、5nm世代が全体の32%で最大であり、3nmが20%、7nmが17%で続いた。(図1)7nm以降の先端プロセスは全体の売上高の69%となる。また、用途別にみると、HPC(高性能コンピューティング)が全体の51%を占め、スマートフォンが34%となっている。前期比ではHPCの売上高が11%増、スマートフォンが16%増となった。(図2)

図1 TSMC プロセスノード別売上高

図2 TSMC デバイス別売上高比率と前期比伸び率

同社のシニアバイスプレジデント兼CFO(最高財務責任者)のWendell Huang氏は「3nm/5nm技術に対するスマートフォンおよびAI(人工知能)関連の需要に支えられ、売上高が増加した」と述べた。同社が製造を受託する米NVIDIAのAI向け高性能GPUの継続的な需要に加え、同社の最大顧客である米Appleが同四半期内に発表したiPhone16シリーズの好調が同社の売上高を押し上げた。

同社は2024年第4四半期の売上高予測も発表。米ドル換算で261億~269億ドルとし、さらに過去最高を更新すると見込む。

また、決算説明会では同社の会長兼CEO(最高経営責任者)のC.C. Wei氏が登壇し、熊本第1工場について、進展が非常に順調で、製造過程の検証をすべて終え、今年の年末までに自動車など幅広い用途向けの半導体の量産を開始するとした。

加えてWei氏は熊本県菊陽町に建設予定の第2工場についても第1工場に隣接する土地での造成工事が予定通り始まっており、2025年1月~3月までの間に建設を始めるとした。量産開始は2027年末を目標とし、「民生機器/自動車/産業機器/HPC関連の顧客をサポートする」とした。

出典:TSMC Press Release