半導体露光装置最大手の蘭・ASMLは11月30日、ピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)兼共同社長が、任期満了を迎える2024年4月24日に退任し、後任にクリストフ・フーケ最高ビジネス責任者(CBO)を起用すると発表した。また、ウェニンク氏と共に共同代表を務めるマルティン・ファン・デン・ブリンク最高技術責任者(CTO)も同日に退任する。

フーケ氏はフランス出身で、KLAやアプライド・マテリアルズを経て、ASMLに15年在勤。同社では急成長事業であるアプリケーションビジネスとEUVを牽引してきた。米中対立を背景に、米国がオランダや日本などと協力し、先端半導体やその製造装置の輸出規制を実施している難しい時期に同社のかじ取りを担うことになる。

同社を2013年から率いてきたウェニンク氏の在任中、同社の株価は900%値上がり。スマートフォンやサーバー、電気自動車(EV)、軍事関連など、さまざまな半導体向けの製造装置で世界をリードする企業へと成長した。フーケ氏はこの経営路線を継承していく構えだ。

フーケ氏は「私たちは明確な戦略と素晴らしいチームを持っている」とし、「世界中の 42,500 人を超える同僚が今後も緊密に連携してテクノロジーをさらに開発し、顧客にサービスを提供し、すべての株主に価値を創造し続けることを期待している」と述べた。