ルネサスエレクトロニクスは2022年8月31日、レーダー技術を手掛けるインドのスタートアップ、Steradian Semiconductors Private Limited（以下、Steradian社）を買収すると発表した。買収額は明らかにしていない。2022年末までに買収を完了する。ルネサスは車載向けのレーダ技術を自社で保有していなかったが、Steradian社の買収により当該技術を獲得することになる。今後、Steradian社と自動車向けレーダ製品を開発し、2022年中のサンプル出荷を目指す。

Steradian社は2016年創業のファブレス型の企業。現在の従業員数は70人程度。電波を使って距離と物体の動きを計測する「4Dレーダー」に強みを持つ。人や車・バイクのトラフィックモニタリング、見守り用途などのホームセキュリティ、ジェスチャ認識などのHMI、空港ターミナルでのドッキングシステムなどでも活用が見込まれている。こうした産業用に向けてSteradian社はトランシーバICのみならず、アンテナと組み合わせたターンキーモジュールや認識用ソフトウェアスタックの技術も保有している。ルネサスは、Steradian社と2018年から産業分野を中心に協業を開始している。

ルネサスは2022年、インドの財閥大手TATAグループと半導体開発において大規模に協業するなど、インドへの投資を加速させている。