スイスの半導体大手STmicroelectronicsは、2021年7月27日、パワー半導体向けに8インチサイズのSiCバルクウエハを試作したことを発表した。
STMicroelectronicsの自動車およびディスクリートグループのトップのMarco Monti氏は、「SiC製品の量が増えるにつれ、高品質な200mmサイズのSiCウエハはより重要となる。大規模なフロントエンドおよびバックエンドの生産に至るまで、製造工程全体に渡り社内のSiC供給に強力なノウハウを構築することで、柔軟性が高まり、歩留まりと品​​質向上を適切に管理できるようになる。」と話した。

STmicroelectronicsでは、今回の200mmウエハは150mmと比較してチップの獲れ高がおよそ1.8〜1.9倍になるとしている。

STは現在、イタリアのカターニアとシンガポールのアンモキオの2つの工場のラインでSiC製品を製造し、中国の深センとモロッコのブスクラの後工程ラインで組み立てとテストを行っている。

今回の8インチウエハ試作のマイルストーンはより高度でコスト効率の高い200mmSiCウエハの大量生産への目標の通過点であるという。今後、200mmも製造可能な新しいSiCウエハ製造ラインを建設し、2024年までにSiCウエハの40%以上を社内で調達するという計画を引き続き進めていくという。