世界半導体出荷統計（WSTS)は2021年6月8日、2021年春季予測を発表した。

2020年の世界半導体市場動向は前年比6.8％増の4,403億8,900万米ドルとなった。COVID-19のパンデミック以降、在宅で過ごす時間が増えたことによりパソコンやタブレット端末などの需要が高まり、また5Gスマートフォンの比率も増加している。さらにこれらの影響でインターネット上のデータ通信量が飛躍的に増大し、クラウドサービスなどのインフラの設備投資需要も高まった。こうしたことが重なって半導体市場にとってはプラス要因が大きく、パンデミックによる世界経済低迷の影響が打ち消されている。
さらに2020年後半からは経済活動の緩やかな回復に伴い、半導体需要は自動車用途をはじめ広範にわたって拡大している。加えてCOVID-19のワクチン接種進展により経済活動の正常化が促される。また、2020年に半導体市場を牽引した要因の多くが継続していることから、2021年には前年比19.7％増という高成長が期待される。
2022年については、足下の非常に強い半導体需要が急速に弱まる要因が見つけ難く、特に反動減は意識されず同8.8％増と引き続き高い予想をしている。
円べ—スでの2020年の日本の半導体市場は前年比0.6％減の3兆8,934億円。2021年は11.8％増の4兆3,529億円にまで拡大すると予想している。2022年には同5.4％増の4兆5,872億円にまで拡大すると予想している。
2021年における製品別のドルベースでの市場は、ディスクリートは前年比18.3％増、市場規模は282億米ドル、オプトは同9.8％増、市場規模444億米ドル、センサは同22.4％増、市場規模183億米ドル、IC全体は同20.8％増、市場規模4,364億ドルと予測している。
ICの製品別では、メモリは前年比31.7％増、ロジックは同17.0％増、マイクロは同8.1％増、アナログは同21.7％増と予測した。
2022年には、ディスクリートは前年比3.8％増、市場規模292億米ドル、オプトは同5.2％増、市場規模467億米ドル、センサは同5.4％増、市場規模193億米ドル、IC全体は同9.6％増、市場規模4,782億米ドルと予想している。
ICの製品別予測では、メモリは前年比17.4％増、ロジックは同6.2％増、マイクロは同3.8％増、アナログは同5.1％と予測した。