日本電産は2021年2月5日、三菱重工業から歯車(ギア)の生産設備を手掛ける子会社、三菱重工工作機械を買収すると発表した。買収額は非公表だが、300億円程度とみられる。5月を目処に買収完了を目指す。

日本電産は、グループ内の日本電産シンポにおいて減速機及びプレス機の製造・販売・サービス事業を展開しており、日本電産シンポと三菱重工工作機械で開発、製造、営業面で相乗効果があると見込んだ。日本電産シンポが最も注力しているモータ・インバータ・減速機を三位一体にした EV 用トラクションユニットである「E-Axle」は、今後更なる需要を見込み、その中核部品の一つである、ギヤの強化が必要不可欠となり、今回の買収は三菱重工工作機械のギヤに精通した人材及び高度な技術力を獲得できるという、日本電産の EV 強化に合致した重要な柱としている。

三菱重工工作機械は三菱重工の工作機械事業を分割した全額出資子会社で、資本金は約30億円、従業員は1,400人程度。2021年3月期の売上高見通しは231億円。日本電産は全株を取得し、工作機械を専業とする海外子会社3社なども買収する。

三菱重工工作機械は、世界初の表面活性化タイプのウエハ常温接合装置の開発メーカとしても注目されている。