半導体受託製造大手、米GlobalFoundries(GF)と独の電機メーカー、Siemensは2025年12月11日、AI(人工知能)の能力を活用して半導体製造及び先端産業の性能を高めるため、戦略的提携を行うと発表した。主に半導体製造の自動化(ファブオートメーション)、電化、デジタルソリューション、チップ開発から製品ライフサイクル管理に至るまでのソフトウェアに焦点を当てている。

特に重視するのが、AIを活用した先進ソフトウェア、センサー、リアルタイム制御システムを(ファブオートメーション)に導入することである。両社は集中管理された自動化と予知保全を通じ、装置の稼働率と運用効率を高めることを目指す。それに向け、両社は、自社のオペレーション内で新しいソリューションを開発、導入する計画である。

Siemensは、同社が得意とするEDA(電子設計自動化)、製造技術や工場の自動化向け先進デジタル化技術を持ち寄る。一方、GFは顧客の注文に応じた半導体の開発と製造を可能にする独自の半導体プロセス技術を使い、顧客からの製造委託に対応できる体制を敷く。これにより、セキュリティと信頼性の向上と製品納入期間の短縮化が図れるとしており、AIやロボット、自動車、防衛、エネルギー管理などの分野で需要が増加する高性能半導体の安定的な供給に繋げる。

また、GFは傘下でRISC-V IPのグローバルリーダーであるMIPSとともに、独自のプロセス技術と設計能力を提供し、Siemensの持つ産業・建物・エネルギーの制御技術と組み合わせることで、自律ロボットや自動運転、エッジAIデバイスなどのPhysical AI向けチップの開発を加速化させる。

GFのCEOを務めるTim Breen氏は、「安全かつローカルで生産された半導体はAIトランスフォーメーションの核心にある」とし、今回の提携により、「次世代機器への応用に対し迅速で差別化されたエネルギー効率に富んだ半導体生産が可能になる」と述べた。

Siemensのデジタル産業部門のCEOを務めるCedrik Neike氏は、「世界の半導体サプライチェーンをより強靭にし、世界中で効率的なローカル製造を可能にするために(GFと)協力する」と、提携の意義を強調した。

出典:Global foundries News