GNC letter
GNCレター
韓SEMCOは2025年11月5日、住友化学グループと次世代パッケージング基板であるガラスコア基板製造に向け、合弁会社を設立する目的でMOUを締結したと発表した。
人工知能(AI)や高性能コンピューティング(HPC)の急速な普及により、従来の樹脂製基板に比べ熱膨張係数が低く、平坦性や平滑性、剛性、熱安定性、高密度実装への対応性などに優れたガラスコア基板への注目が集まっている。但し、ガラスコア基板はその特性上、製造時の微細な傷や後工程の熱応力で破損しやすく、加工も難しいため、製造コストも高いことが課題であった。
こうした中、SEMCO、住友化学、住友化学の完全子会社である韓DONGWOO Fine-Chemの3社はそれぞれが保有する技術力とグローバルネットワークを結集させ、パッケージ基板用ガラスコアの製造、供給ラインの確保及び市場進出の加速化を目指す。
設立される合弁会社はサムスン電機が筆頭株主として過半数の株式を保有し、住友化学グループが少数株主として参画する予定。今後は2026年の本契約締結を目標に株主構成、事業スケジュール、社名などの詳細を詰める。また、合弁会社の本社はDONGWOO Fine-Chemの平澤事業場(京畿道)に設置し、ガラスコアの初期の生産拠点とする計画である。
サムスン電機のチャン・ドクヒョン社長は「今回の協約は3社が持つ最先端の力量を結合させ、次世代半導体パッケージ市場の新たな成長の軸を備える契機となる」と強調した。
また、住友化学の岩田圭一会長は「サムスン電機の協力を通して、当社としては先端半導体の後工程分野における大きなシナジーを生み出すと期待している」とし、「本プロジェクトを通して、長期的なパートナーシップを強固にする」と述べた。
なお、サムスン電機は現在、同社の世宗事業場にパイロットラインを構築し、ガラスパッケージ基板の試作品を生産中とのこと。合弁会社での本格的な量産開始は2027年以降を予定している。
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